2014年4月13日日曜日

私語(ささめき) ~細雪~

細雪 (上) (新潮文庫)
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谷崎 潤一郎
新潮社
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もうすでに春ですね。
ちょっと気取ってみようと思います。


昨日、
井の頭公園で花見をしました。

毎年恒例で、
5年くらい続いているのですが、
去年参加できなかったこともあり、
ノリで幹事を引き受けることになりました。

たまたま都合が合わなかったのか、
もしくはわたしの人徳のなせる業なのか、
今年は参加してくれた人が半数くらいでした。

そうして当日、
ひとりで場所取りをしている時、
ふと『細雪』を思い出したのです。


『細雪』は、
昭和十年代の関西(特に兵庫県芦屋市)が舞台で、
上流階級である蒔岡家の「鶴子」「幸子」「雪子」「妙子」の四姉妹の話。
雪子の結婚話と妙子の恋愛話を中心に、
主に幸子の視点から描かれています。

兵庫県芦屋市は
神谷メンバーの住居に近かったり、
作家の内田樹が住んでいたりするので、
場所的にもなかなか興味を惹かれますが、
今回は花見の話です。

幸子、雪子、妙子の三人は、
毎年京都へ花見に行くのが恒例行事となっていて、
それが三人の関係や状況の定点観測として機能しています。

最初の花見のシーンからすでに、
三人がバラバラになっていくのが示唆されていますが、
戦争へと傾いていく世の中の状況とも相まって、
年を重ねるごとにそれが顕著になってきます。

小説では、
5回花見の場面があり、
4回目で妙子がいなくなり、
5回目の後、雪子が東京へ嫁いでいくところで話は終わっています。

おそらくこの後、
三人が集まって花見をすることはないでしょうし、
生きて再び会うことができるのかもわかりません。


なぞと、
そんな取り留めもないことを考えていたら、
レジャーシートへぽつぽつと桜の花びらが落ちてきて、
ぐるりの喧騒を余所に、ひとり少しく切なくなったのでした。

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