2014年3月21日金曜日

ライブでございました。

昨日は出演者のみなさん、
ブッシュバッシュのみなさん、
来てくれたお客さん・・・はいませんでしたが、
まったりとした楽しい時間を過ごさせていただきました。
ありがとうございます。

てかては三人で出演する予定でしたが、
突如、かみやメンバーが出られることになり、
四人全員での演奏と相成りました。めでたし。

しかし、
ペットボトル片手に颯爽と現れた彼には楽器がなかったため、
わたしのピアニカを貸すという、BL的展開があったことはここだけの秘密です。

2014年3月18日火曜日

ライブでございます。

明日はてかてのライブでございます。

週の真ん中水曜日、
真ん中もっこり、夕焼け!ニャンニャーーン!
といった調子で、ぶらりお立ち寄りいただければ幸いです。


◆2014.03.19(水)◆

◎場所◎
小岩ブッシュバッシュ

◎出演者◎
はるお幕府(27歳)
服部繁人
SOX
てかて
ダテチヒロ
岡村俊宏(bouhatei)

◎時間◎
入場:19時
開演:19時30分

◎料金◎
前売:1300円
当日:1500円
(+1杯注文)

2014年3月14日金曜日

声なき「聲の形」

聲の形(1) (少年マガジンコミックス)
大今 良時
講談社 (2013-11-15)

しろーくんが書類の山に追われた上役のように、
太鼓判をボコボコ押していたので読んでみました。
聲の形(こえのかたち)と読みます。

書くのが億劫なので概要はwikiから。
"聴覚の障害によっていじめ(嫌がらせ)を受けるようになった少女・硝子と、彼女のいじめの中心人物となったのが原因で周囲に切り捨てられ孤独になっていく少年・将也の2人の触れ合いを中心に展開し、人間の持つ孤独や絶望、純愛などが描かれる。物語は2人が小学校時代における出会いの回想から始まる事になる。"
さて、
無意味に前回の流れを汲んでいるのがお分かりでしょうか。

沈黙 → 聾唖(ろうあ)

今は亡き円楽師匠の
山田くんを呼ぶ声が聞こえてくるようですね。

「おーい、やまだくん。さかのに座布団見したげて」

・・・失敬。
つい悪乗りしてラーメンズネタを。。。


当初の予定していたキャラが
ガラッと或いはガラガラと音を立てて崩れている気も仄かにしますが、
お構いなしで長閑にいきましょう。

とは言ってみたものの、
あまり語るところが見当たりません。

別に面白くないわけではなく、
十分面白いんだけれど「思てたんとちゃう」という感じ。

この漫画を読む前に紹介動画を観たのですが、
これが非常に出来が良くて、その足で漫画を買いに走ったくらい。
(ここでも紹介しようと思いましたが削除されてました)

漫画だと、
シリアスとギャグがぎこちないというか、
どちらも殺しあって上手く噛み合ってない印象を受けました。

女の子が主人公のことを
高校生になるまでずっと気にしていたのも違和感がありますし。

まぁ少年マガジンですから、
「BOYS BE…」的なご都合展開と考えれば納得できなくも・・・。

うーん、
なんだか内容に関しては、
腐すことしか言えそうにないので、切り口を変えてみます。


タイトルの「聲の形」。

2巻まで読んだ段階では手話のことだと思われますが、
「口にはできないこと(エッチなことではありません)をどういう形で伝えるか」
ということがこれから展開されていくのだろうと予想します。

はてさて、
声ではなく手話で伝える、ということは、
言い換えれば音ではなく映像で伝えるということです。

「聲の形」。
声を形にすること。
それは聴覚から視覚への移行を意味し、
現代の"見ること"への欲望が見え隠れしているように思われます。

「ビッグデータ分析」や「見える化」といった可視化の動きも、
"あまねくものを見たい"という欲望が加速しているからなのかもしれません。

ネットメディアは視覚情報がほとんどですから、
この趨勢は致し方ないところなのでしょう。

なぞとは言い条、
見えそうで見えないのが一番エロいと思うんですけれど、いかがでしょうか。

2014年3月12日水曜日

語りえぬものについては、沈黙しなければならない

僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)
かじいたかし
ホビージャパン (2011-06-30)
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のっけから萌えまっしぐらな表紙で失礼します。

アニメのラッピング電車が山手線を走り、
駅構内では萌え絵が鎮座ましまし、
二次元少女が自衛隊へいざない
群馬県が協力するご当地ライトノベルまで出る昨今、
もしや日本の未来を予言しているのかしらん、
といった危惧をうっかり抱きかねないお話です。

概要をウィキペディアから説明しますと、
萌え文化が蔓延し、漢字が使われなくなった23世紀の日本と、
萌え文化がまだ広まる前の現代の日本を舞台とした、
いわゆるハーレム系ライトノベルというやつ。

本のタイトルは、
漢字の読めなくなった23世紀の日本人にあって、
主人公の義理の妹は古典の翻訳ができるため「漢字が読める」というわけです。

構成もなかなかに凝っていて、
作家志望の主人公が23世紀の文体で書いたものを、
義理の妹が翻訳しているという体裁になっています。

内容はというと、
…ウィトゲンシュタインよろしく沈黙せざるを得ませんが、
試みとしてはとても面白く(無駄に)考えさせられたりします。

わたしが、
世間から白眼視の憂き目も已むなし
といささかやけっぱちになりながら
この記事を書く理由もここらあたりにあります。

さて、
余計な説明はあとにまわして、
まずわたしが言葉を失ったきっかけを追体験してもらう意味も込めて、
こちらを読んでみてください(心臓の悪い方はご遠慮願います)。

冒頭、
主人公が23世紀の日本文学を代表する作家に会いに行き、
書き上がったばかりの原稿を読む場面(作家の小説の冒頭部)。

でたひと→きよし
きよし「おくれちゃうにょ」
どうがサイトみてたら ねぼすけ ←だめっこ
いきなりちこくは やばっ
こうえんぬけたら
おなのことごっつん☆
きよし「うあっ」
おなのこ「みゃあっ」
わわわ でんぐりがえっておぱんちゅ きらり☆
きらっ きらっ
きらり☆
おぱんちゅ→おそらいろ
きよしっこてれっこ

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2014年3月7日金曜日

「である」と「です・ます」

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三島 由紀夫
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日本といえば、フジヤマとゲイシャとハラキリ。
三島由紀夫といえば、マッチョとゲイとハラキリ。
そんな(どんな?)日本を代表する作家であるところの、
三島由紀夫が書いた文章を読むための本。

なぜか画像に「今月の新刊」とありますが20年近く前の本です。
地球の歴史から考えると20年くらいはまだまだ「今月」ということでしょうか。


さて、
この本は「読む側からの"文章読本"」を掲げ、
「普通読者(レクトゥール)」である人を
「精読者(リズール)」に導くことを目的として書かれているものです(うーん、よくわからん)。

文章を読むために文章を読む、というのは、
なんとも胡乱で永劫回帰感がしなくもないですが、
この本は日本語論としても読めるのでなかなかに興味深いです。


日本語にはフランス語やドイツ語のように、
名詞による男性・女性の分類はありませんが、
平安朝時代には漢字が男文字、仮名が女文字と呼ばれていました。

漢字は外(中国)から来たもので、
仮名は内(日本)から発生したものなので、
「源氏物語」や「枕草子」や「土佐日記」といった、
古典とされる物語や随筆がこの時期に仮名で書かれているということは、
日本文学の本流は女性的文学と言っても過言ではないかもしれません。

そういえば、
日本でエッセイやブログが多いのは、
こういった伝統から来ているからかもしれませんね。
(認知言語学的な側面も大いにあるでしょうが)

とはいえ、
男性的文学が駄目なわけではなく、
単に機能が異なっているというだけの話で、
俳句に代表される、極度に圧縮された簡潔な表現がこちらの本分なのでしょう。

著者はこの二つの代表的な作家として、
男性的文学では森鴎外を、
女性的文学では泉鏡花を例に出し説明しています。

このあたりのことは、
『言語にとって美とはなにか(吉本隆明著)』にある、
「文学体」「話体」の分類を併せて考えると面白そうです。


明治期の言文一致運動を経た今、
この二つの文学を文体でざっくり分けると、
「である」文と「です・ます」文に分類できると思います。

この本では「です・ます」文が使われていて、
著者曰く、小説以外では「僕」というのも使わないそうです(本書では「私」)。

わたしもこの文章を「です・ます」文で書いていますが、
有り体に言えば「である」文のほうが断然書きやすいです。

たしか批評家の東浩紀が言っていたと思うのですが、
「である」文だと聖闘士星矢的な必殺技感が出るそうです。

ほら、
「アナザーディメンション」って言われると、
なんだかよくわからないけどとにかくすごそうじゃありません?

そんな感じで文末を「である」にすると、
意味のよくわからない(わたしのような)下手な文章でも賢そうに見えますし、
断定することで説得力とやったった感が出るのである(ドヤ顔)。

一方、
「です・ます」文にすると、
ふにゃっとして曖昧な印象の文章になるので、
きちんとした筋道を立てて書かないとすごく読みづらい。

わたしが「です・ます」文で書いているのは、
そういったことの練習のためだと言えます。
(これも東浩紀が言ってましたけれど。
ちなみに彼の近著である『セカイからもっと近くに』は「です・ます」文です)

また、
一人称を「わたし」にしているのは、
紀貫之が「土佐日記」で女性のふりして書いていたみたいに、
身振りを真似ることで面白い発見がないかなぁと思ったからです。
こちらのほうが日記やエッセイに合ってそうですしおすし(合ってないかしらん…)。

女性のふりして文章を書くなんて、
さながらネカマのようですけれども、
ことによると彼らは現代の紀貫之なのかもしれませんわね。オホホホ。


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2014年3月5日水曜日

大衆は大衆が大嫌い

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内田 樹
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内田樹が大好きです。
共著や対談も合わせたら70冊くらい読んでます。
自分でも引きますね。。。

たぶんあと10冊くらいで網羅できそうな勢いですが、
1年に5冊くらい出てるので(引きますね)、
作者とのイタチごっこに勤しんでおります。

こんなに読んでいる人は他にいなくて、
なんでかなぁと考えてみたのですが、
端的に読んでいて気持ちがいい。
文章のリズムの取り方と論理の運び方がめちゃくちゃ上手いんですね。

だから、
かなり専門的な用語が多用されているけれど、
身体をねじ込むように読んでいくうちにいつのまにか理解できてしまう。
なんだか自分がものすごく頭が良くなったような気になれる(錯覚ですが)。
そんな風に知的興奮をすごく味わえる作家です。
前回の自分の記事を読んで、
そのヘッポコさに悶絶グルーヴィーだったわたしとしては羨ましい限りです。


といったところで本の内容に入りますが、
一番気になったのは「ニーチェ主義的大衆社会」の部分。

ニーチェの超人思想というのは、
誤解を恐れず簡潔に言えば、
"自分よりも劣等なものを憎み、軽蔑することを自分自身の気高さの支えにする"ことで、
自分自身を高めていくというものです。

ニーチェがいた時代には、
こんなことを考えているのが彼しかいなかったので、
痛烈な文明批評になりえたのですけれど、
時代が下るにつれて「俺もニーチェの気持ちがわかる」という人が増えて、
みんながみんなを軽蔑するような「ニーチェ主義的大衆社会」になった。
と、著者は書いています。

これを読んでわたしの頭に真っ先に浮かんだのは「リーガル・ハイ2」でした。
内容をウィキペディアから引用するとこんな感じです。
"訴訟で一度も負けたことがない敏腕弁護士・古美門研介(こみかど けんすけ)と真面目で正義感の強い新米弁護士・黛真知子(まゆずみ まちこ)の2人が繰り広げるコメディタッチの弁護士ドラマ。"
古美門さんはとにかく大衆が嫌い。
特に最終回では大衆がいかに愚鈍であるかをのべつ語ります。

ドラマは大変好評だったようなのですが、
なんだか変じゃないですか。

最終的には「愚かな大衆を愛せ」
といった美辞麗句で締めくくられていましたが、
これは明らかに「馬鹿な視聴者が好きです」という
製作者側のメッセージが感じられます。

ドラマの中で語られる「大衆」とは、
云わば「視聴者」のことであるはずなのに、
「ふざけんな」とか「視聴者を馬鹿にしている」
といった文句も寡聞にして知りません(あるかもしれませんけれど)。

つまり、
このドラマを見ていた人は、
古美門と一緒に大衆を馬鹿にし溜飲を下げていて、
自分を「大衆」だと思っていないということなんだと思います。

「ニーチェ主義的大衆社会」ここに極まれり。

こんなこと書いているわたしも、
大衆を馬鹿にしていることに変わりはないのかもわかりません。

ですが、
自身が大衆の一員であること。
これは(自省も兼ねて)ゆめゆめ忘れてはいけませんし、
なによりガッキーの可愛さをゆめゆめ忘れてはいけないのです。


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